RFID採血管本数確認

 

2.RFIDを用いた医療用採血管の本数確認
 (特許第5348243号)
 (米国特許庁登録 13/271,602)

従来の無線タグ(RFID)を用いた複数物品管理システムでは、電磁波で物品に貼付されている無線タグ(RFID)の固有情報を一括して読み取ることしか行っていないものがほとんどでした。この方法には、致命的な欠点があります。

例えば、50本入りの試験管ラックに37本の採血管が格納されていたとします。予め試験管ラックに格納されている採血管の本数を計数していなかった場合、即ちラックに何本採血管が格納されているのか、予め判らない場合、電磁波による読取りで36本という結果が出たとしても、1本読取りエラーがあったことを瞬時に目視確認することは、ほぼ不可能です。これが、100本、200本となってくると、ますます難しくなってきます。

電磁波による無線タグの一括読取りで、全数を確実に読み取ることが保証されているのであれば、この方法でも問題は起こりません。しかし、電磁波で読み取る以上、100%確実に読める、と断言することは不可能です。

当社の特許「無線タグ一括読み取り装置及びネットワーク物品管理システム(特許第5348243号)(米国特許庁登録 13/271,602)」は、この点に着目して特許査定を受けたものです。

電磁波による一括読取りを行う操作に加え、電磁波以外の方法で、対象物が何個あるのかを取得し、電磁波による読取り結果と照合するという内容です。さらに、読取り欠損があった場合には、その場所を特定します。

電磁波以外の方法を使った対象物の個数検出の方法には、様々なものがあります。試験管ラックの下部に探針(プローブ)を設ける方法、試験管ラック上面をレーザーダイオードセンサーでスキャンする方法、試験管ラックを上部からカメラで撮影し、画像認識する方法など、色々な物理的手段が考えられます。本特許では、こうした個数検出方法全てを包含し、「電磁波以外での物品個数検出方法」として提出しており、汎用性を高めています。従って、電磁波以外の対象物の個数検出方法については、その種類を問いません。

また、本特許では、試験官ラックの周囲をアンテナで囲み、その中で試験管ラックを回転させる方法や、試験管ラックは固定させておき、その周囲に複数のアンテナを設置し、その動作を電子的に切りかえることにより、各アンテナから順番に電磁波を照射する方法についても触れています。1項でご紹介した実施例では、ラックもしくはアンテナもしくはその両方を相対的に移動させて一括読取りを行いましたが、本特許の実施例では、アンテナとラックの両方を固定し一括読取りを行う方法についても掲載しています。(続きを読む)

試験管ラックに格納された採血管の実本数を、電磁波以外の方法で取得する手法の一例で、特許「無線タグ一括読み取り装置及びネットワーク物品管理システム(特許第5348243号)(米国特許庁登録 13/271,602)」の中に述べた実施例のひとつです。本例では、試験管ラックの上面を、列状に並んだレーザーダイオードがスキャンすることで、試験管ラックに採血管が格納されていない部分を検出します。
試験管ラックに格納された採血管の実本数を、電磁波以外の方法で取得する装置の一例です。試験管ラックの上面を、容器本数読取りユニットがスキャンすることで、実際に格納されている試験管の本数を取得します。容器本数読取りユニットに搭載されるセンサは、試験管ラックを検出できるものであれば、種類を問いません。例えば、フォトセンサ、レーザーダイオード、照度センサ、圧力センサなどが考えられます。
試験管ラックの側面に沿って、読取りアンテナを移動させる概念図です。この例では、ベルトをモータで駆動し、ベルトに取り付けられたアンテナを左右に移動させています。アンテナの駆動方法は制限していません。即ち、モーターで動かしても、手で動かしても構いません。
ラックとアンテナの位置関係の一例を示したものです。この例では、ラック周囲にアンテナを設置し、ラックをターンテーブルのように回転させて読み取っています。
ラックとアンテナの位置関係の一例を示したものです。この例では、ラックは固定し、ラックの周囲を多数のアンテナで囲みます。各アンテナの動作を電子的に切り換えて、順番に電磁波を照射することで読取りを行います。
ラックの中の採血管本数を自動的に計数する方法の一例です。ラック上部からカメラで撮影した画像を解析し、ラックに格納されている採血管の本数を特定します。

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